妄想サンバ

助走をつけた妄想がやがて暴走していく文章になる

2/20

 日記を書くと決めたものの、何もない日々が淡々と過ぎていくだけで何か書くものはない。だが世の中は淡々と過ぎ行きてはいかないもので、色々なところでいろいろな事件が起こっている。

 政治に興味はない。生まれつきだと思う。何かおれの遠いところで物事が展開しているから、そんなに興味を持てない。では自分の半径一メートルの世界に何か興味を持てているかというと、実はそんなこともない。

 というわけでまた自傷してしまった。前回は傷が浅すぎてあまりにも自傷とはいえないようなものだったので、今回はより深く。前回の自傷の記憶は一切ないので、より鮮明に。

 自宅に包丁はない(隠された。おれが自傷した後からだ)ので、小型のハサミでやった。ぐぐぐと力を込めた。痛い。前回はそんなに痛かったっけ?と思ったが、今回はかなり力を入れてやったから当然だ。

 左手首が腫れてくる。血が滲む。前回より傷らしい傷になったかなと思ってやめる。何のために自分の身体を傷つけているんだ。そんなことならさっさと死んでしまえばいいのに。

 起きて、夕食を食べている時に父に傷を見つけられた。そこから説教されたがよく覚えていない。父も母もおれの精神状態の悪化を感知してて、何らかの責務を果たそうとコミットしてるが、今更そんなことをやられても手遅れだ。

 その流れで、都会はおれの環境に合わないからどこか遠いところへ引っ越そうと言われる。バカか、と思って受け流す。

 二月二十日。好きだったアイドルが卒業する。彼女は芸能界も引退するのでもう二度と会えない。悲しいが、すぐに忘れるかもしれない。人生とはそういうものだと思う。

 明後日には高校の時と友人と会ってアイドルのライブに行く。今一番心配しているのはリストカットの傷痕がバレないだろうか、ということ。リストバンドを見つけたので装着していくと思う。おれは変わってしまったが、友人は変わらない友情を向けてくれる。ありがたいことだと思う。

 変わってしまったといえば、更に俺は喫煙者になってしまった。友人は喫煙者になった俺を軽蔑するだろうか。当分隠すつもりだがいつまで隠し通せるかは分からない。

 そういえば別の友人が大学を留年した。気の毒だ。あんなに勉強を頑張っていたのに。近いうちにみんなで励まそうということになった。金はないが、俺も慰めにいきたい。みんなからのパワーを貰いたい。

 以上、日記終了。自分の文体が分からなくなってしまって久しい。小説を書いているが、書いては消し、書いては消しの繰り返し。おれはなんで小説なんか書いているんだろう。何か急き立てるものがあって書いているに違いないけど、一体その俺を急き立てているものが何なのかは分からないままだ。

 人生には分からないことが多すぎる。

時代を導く星になれ(日記です)

 昨日日記を書くのを忘れたが、完全に虚無になっていたのでどうでもいいこととする。

 今日は二時半に目が覚める。精神科の予約時間が三時だったが、ま、落ち着いてタバコを一服。顔を洗って着替えて(ここまで秒で終わる)家から出た瞬間完全に行く気をなくす。

 寒すぎる。文明が出していい寒さじゃない。おい小池百合子!!!!!!!!!!!どうなってんだよボケナスが。東京くらいの財力があるなら空にデカいエアコン設置して暖かくしろよ。お前、雪降ってるやん。お前さあ、お前な、お前、東京で雪が降っていい訳ねえだろうが。ガイジか? 横浜あたりに降らせろボケが。

 三時、精神科到着。流石にガイジしかいないので雪が降っても来るガイジはほとんどいないので空いている。すぐに診察。

 リスカしたことを話したらふつうにスルーされた。お前、もうちょっと俺の鬱の状態を確認した方がいいんじゃないのか? それとも俺の鬱は鬱じゃないのか? 俺は鬱のフリをしているだけなのか? なら俺の、この「死にたい」という感情も偽物なのか? 俺は偽物なのか? そもそも本物ってなんだ?

 そんなことを考えていたら診察が終わっていた。國學院の入試のことを聞かれた。「折口信夫ってホモだったんですよねえ」お前に言われなくても知ってるよボケ。

 その後空と俺の間に冷たい雨が降るのを我慢し薬局へ。頭痛薬を変えたら薬代で2900円。精神障害者の足元を見るんじゃねえよタコ。きっちり払って床屋へ。

 「こちらへどうぞ」「学校帰りですか?」無職だよ。

 短く切ったらまた香港マフィアみたいになった。髪の毛が短いと体格も相まってオタクとは思われにくいことだけ得をした。まず痩せろと話だが。

 帰る。

 コンビニで必要な書類をコピー。必要なタスクを処理する。

 帰りにマックスコーヒーを買って一服。うまい。

 そこから後は何にもしてない。今宵フェスティバブルを聴いて泣いたくらい。こういう明るい曲を聴いて泣いたということは回復しつつある証拠か?

 一服して寝る。明日は図書館に行きたいがおそらく無理だろうな。

なんもねえ一日 クソクソクソ

 震えながら目覚めた。夕方の3時だった。いや、寝たのが九時半ごろだったので睡眠時間は5時間ほどしかないッス。

 図書館に行って予約した本を借りてくるか悩んだが、頼んだ本の一部がまだ届いていないそうなので明日にすることにした。過去問? 今から解いても受からないだろ ゴミゴミゴミ。

 リスカ以降家族がやけに優しく接してきて気持ち悪い。親父は特に顕著で、めちゃめちゃ俺に構ってきて、「悩んでないか?」とか「大丈夫か?」とか言ってくる。うざい。殺すぞ。

 そういうことを言ってはいけません! 母親いわく親父は俺のことをかわいがっているらしいが、歪んだ愛情を向けられても俺はただ当惑するばかりだ。大体、お前のせいで俺の精神が壊れたのに今更都合よく優しく接してくるなんてのはちょっと虫の良すぎる話だ。

 父親原田眞人版「日本のいちばん長い日」を見ていた。不愉快だったが、放置した。見終わった後、父が俺に「東条英機ってのはいつの時代の首相なんだ? この後じゃないのか?」と言ってきて、よくその程度の知識でこの映画を見ようと思ったなと感心する。

 飯はオムライス。可もなく不可もなし。

 ほんとうに今日は何もなかった。すでに眠いのでもう寝ると思う。昨日は終わってる頭痛とかツイキャスとかがあって書くことがあったはずだが、今日はまさしく虚無だ。

 短いがこれで終わる。いつもと文体が違うのは気取ったのと精神的に荒んでいるから。じゃ。

戦う君の歌を、戦わない奴らが笑うだろう。

 今年度末に自殺をすると宣言した友人がいる。

 いきなり重くてすみません、公的抑圧のブログのあの軽いノリかと思って開いたらいきなりこの一文で引いた読者もいるのでは。出来る限り軽いノリで書きます。

 ただ、身近な人の死、それも友人となると、そう軽いノリばかりでいられないというのもありまして、そこのバランスのとり方が難しいんです。

 見ての通り(読んでの通り?)俺は軽薄極まりない人間なので(体重は重い)、真剣に人の死に向き合うことが出来るだろうかと悩んでいます。一体、友人が死んだら俺はどうすればいいんでしょうか。

 いや、その前に自殺を止めろよ、と。これ、仰る通りなんですが、反論させてほしい。一体、誰に人の自殺を止める権利があるんだろう?

 自殺を一度でも真剣に考えたことある人間が、今自殺をしようとしている人間に対して止める言葉を持つでしょうか。何か訴求力のある言葉をかけてあげられるんだろうか。いや、俺がその言葉を持たないだけで、他の人ならいくらでも言えるとか、そういう可能性もありますけども。

 自殺しようとしている人に対して「これからもっと良いことがあるよ」と言って引き止めるのは間違いなく欺瞞でしょう。「これからもっと良いことがある」、その未来に希望がないから死ぬわけであって、それを聞いて「ああそうか、もっと良いことがあるんだな」と考え直す人はいないわけです。

 もっと具体的に言うとどうなのか。例えば、「年度を越したら君の好きなアイドルのコンサートがあるよ」とか。ただ、それは単なる引き伸ばしに過ぎないでしょう。そのコンサートが終わったらまた生きる希望をわざわざ探すのでしょうか。それよりももっと遥かに多くの絶望がのしかかるだろうし、多分自殺を試みる人間が希望を探すのはとてもつらいことだと思う。

 具体的な目標や希望の間隔を伸ばして行くとどうなのか。「就職したらいい出会いがあるよ」とか。でもこれも抽象的ですよね。間隔が遠い希望のことを言っても、それは抽象的なことを言っているのと違いはありません。

 袋小路に陥ってしまいました。

 逆に、自殺を試みる人間の精神状態はどうなっているのでしょう。未来への希望がないから自殺する、ということは、未来への希望までの道筋が見えないということです。これは、今ここで生きている現実そのものが絶望に満ちている、とそういうふうに捉えることが出来ると思います。

 今ここで生きている現実そのもが絶望に満ちている、とはどういうことでしょうか。そもそも、絶望とはどういうふうな回路を経て生まれる感情なんですかね。

 雑な考察で申し訳ないですけど、人間は自分にとって不都合な状況が眼前に現れたら、それを取り除こうとすると思います。それが巨大なものであって、かんたんに片付きそうになければ、複数の要素に分解(分析)して、一つずつ取り除いていく、そういう「努力」のプロセスをするでしょう。

 眼前に不都合な状況が現れた時、最初は諦めかけますが、それらが分解可能で、一つずつ取り除いて行くことが出来るのであれば、「絶望」までは感じないと思います。

 絶望とは、その不都合な状況があまりにも巨大であって、それらを分解しても取り除けないとか、そもそも初期条件(生まれ・親・環境、いろいろあるでしょう)が悪すぎて不都合な因子を除去する努力すら出来ない、そういう状況に置かれたときに発生する感情なのでは。(繰り返しますけど、雑な考察で申し訳ない。素人の妄言だと思って聞き流してください)

 で、あるならば、一緒にその不都合な状況をとりのぞいてやる、とかそういう方向で解決することも出来るかもしれません。

 でも、その手段をあまり取りたくはないです。他人の精神、それも死しか手段がないような精神状況に、俺がずかずかと乗り込んでいっていい訳がないからです。そういうのはちゃんとした免許を持った人間がやる仕事です。

 じゃあどうすればいいんでしょう。かける言葉が見つからず、一緒に現状を打破することも出来ない。

 じゃあ、僕は彼の生を肯定することにします。

 十九年間戦い抜いて来た彼の生を、精神の高潔さを肯定することにします。

 大体、自殺を考える人間の方が、自殺を考えたこともない人間の精神よりも高潔で、力強いのは自明なことなのです。辛い状況にあって、自殺を、自分の生の終焉を選択出来る人間が強くなければ一体誰が強いのですか。弱い人間というのは、俺みたいなことを指す。

 だから俺は君の生を肯定します。戦いを応援します。孤独な精神に連帯したいと思います。

「死ぬな」なんて言えないかもしれないけど、それでも俺と君との友情が強固なもので結ばれた今、そして、俺だからこそ、君の生を肯定して連帯(傲岸不遜なのは承知しています)出来るとおもいます。

 最後にこの曲を送ります。

 いつの日か、君に「ファイト!」と言えることを信じています。

www.youtube.com

クリスマスが今年もやってきた!

「クリスマスは今年もやってくる~」

 当たり前じゃん。お前暦を何だと思ってるんだ?

「あんた、今年のクリスマスの予定はないの」

 ハッとして正気に戻り卓袱台を挟んで向かいに座っていた母親を見る。これ、幼馴染で同級生とかだったら喜べるセリフですが、母親(54)が言っているので単純に俺をからかい侮蔑する目的だということがわかる。

「いや、ありません」

 潔い。さすが日本男児。なぜこんな大和魂を持った真の男がモテないのか。何が君の名は。だよ。ん? 俺か? 俺の名前は公的抑圧、よろしくな!

「あっそう」

 お前は昭和天皇か。

 ところでなんでクリスマスって街がいきなりウキウキモードになるんだ? 挙句の果てに恋人達が今夜はマジでハチャメチャにセックスしていいっすよ! みたいなノリになるのが本当に解せない。大体クリスマスはキリストの誕生日を祝う祭典なんだから姦淫は禁止のはずだろうが!!!!!! コラ!!!!! お~~~~~いイスラム原理主義! 東京だ! 今が絶好のテロチャンス! かかってこいや!!!!!!!

 少し冷静になろう、クリスマスがウキウキモードになるのはこれは確実に電通が関わっている。何故か? ギフハブと電通はつながっているからな、この前ASKAが「これは発達障害に効く薬です」って言いながら俺に教えてくれた。

 イメージ戦略というのは大事で、クリスマスがいつの間にか浸透し恋人達がおおっぴらげにまぐあってもいいようになったか如く、俺もいつの間にか「公的抑圧はモテない」という公的抑圧のせいでモテなくなっていて、つまりこれは鶏が先か卵が先かみたいな話だが、しかしやっぱり俺はイメージのせいでモテてないんだと思う。

 俺は無職の割に清潔(ちゃんと風呂も一週間に一度入る)だし、話も上手いし、何より人間に魅力があると思う。例えば……カビゴンに似ているところとかかな。

 というところまでを友人に話したら「それって嫉妬じゃない?」って言われた。お、お前な~~~~~~~~。お前ら一般人はそうやって俺達のような下層が上の人間に噛み付いているのを見ては「それって嫉妬じゃない?」と言って誤魔化すが、実際には俺はお前らと俺がここまで差別化されるのは何故かという構造の問題を指摘シているわけで、なんでそれに気付かんのだ! 愚かな人種だ! 性愛の喜びを知った人間はみんなこうなる!

 ふと、冷静になる。確かに今の俺の言動は嫉妬そのものなのでは? 「それって嫉妬じゃん」と言われてムキになり「これは構造の問題じゃん」と言い出す。しかし構造の話を持ち出せば上位層の友人の方がこの問題には無頓着なわけで、それってつまり俺が下の人間だから「どうしてあいつが上で俺は下なんだよ」的嫉妬に基づいた発想なわけだ。

 また一歩人類の真理を解き明かしてしまった……と得心してマックのポテトを食べていると、友人が「お前そういう間抜けな顔してるからモテねえんだよな~」って言ってきた。お、お前……お前、言って良いことと悪いことがあるぞッ! と絶叫した次の瞬間には友人を殴り殺していた。おい!!!!!! もう嫉妬でもなんでもええわ! 殺す! お前ら全員殺して内戦起こしてシリアのアレッポよりも悲惨な状況にしてやるからな! 覚悟しておけよ!!!!!!!!!!!

 ハッとして辺りを見回したら自宅だった。なんだ、今のはパラノイアか……と思って目の前を見たら母親がまだ話している。

「あんたって一生童貞よね~」

 俺はまず母親の首を絞めた。

ナイフを持って立ってた

 うい~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っす。公的抑圧です。我が家にナイフはありません。

 しばらく放置してたはてなブログを更新しようとはてなブログにアクセスしたら下らない記事がならんでいやがったのでブチギレて壁を殴ったら壁だと思ってたのは俺の手首で手に持っていたのはナイフでした。やっぱり家にナイフあんじゃん。

 今日一日やったこと……特になし! 今日は本当に何もやっていない。珍しく午前中に起きたと思ったら母親が掃除するというので一時間ぐらい別の部屋でアイドルの動画を見ていた。その後朝食を食べて寝て起きたら四時だった。ふつうならだいたいこの時点で勉強を始めるが今日はどうにもやる気が出ません。

 ベランダに出て工場で働く下々の人間を眺めながら三ツ矢サイダーを飲んでいたら近所の小学生の楽しそうな声が聞こえてきて鬱病が加速、その後俺は無事屋上に出て飛び降り自殺を敢行。通算5回目の死亡に母も驚きを隠せない様子です。

 本も読めねえし勉強も出来ないかといって動画を見るのも飽きてきた俺はマジで何もできない能無し無能ゴミクズ人間です。誰か殺してください。

 おい精神科医!!!!!!!!!!!! てめえの出した薬全然効果ないじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!! 殺すぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 明日は病院ですが病院代はありません。その後友達の家に行く予定です。23(水)はアイドルの握手会に向かいます。現地の皆さんよろしくお願いします。

 

イントロ

書いている小説のイントロです。 
 

 タバコを吸っていた。夏の蒸し暑い日だった。朝から頭の悪そうなアナウンサーが、女のくせに、社会問題について一丁前に意見を語っていた。ただのニュース原稿読み上げ機が。顔がいいからといって調子に乗るなあばずれ公共電波の売女が。
 卓袱台の上の小型テレビの電源を切り、窓から身を乗り出して、向かいの家の庭に寝転がる猫を眺めている。
 猫の方をじっと見ていると、しばらくしておれの視線に気が付いたのか、猫がおれの方を見た。だがすぐに視線を他所に移して二度とおれの顔を見ることはなかった。無愛想な猫だ。
 おれが話しかけてやっても何にもないように無視をする。次第におれも意固地になってきていつの間にか大声を出して猫を罵り始めた。
「おい、クソ猫」
「返事をしろ」
「ボケが」
「デブ猫」
「不細工な顔をこっちに見せてみろ」
 我ながらよくここまで恥じらいなく貧相な言葉で罵倒を繰り返せるなと感心する。しかし猫とおれの感性は違うのか、彼奴はおれを見ようとしない。おれはそれにもっと激しく腹が立って大声で怒鳴り続けていたら、その家の家主の耳の遠い婆が猫の代わりにおれを睨みつけてきた。
 おれの人生は、大体いつもこの通りだ。