妄想サンバ

助走をつけた妄想がやがて暴走していく文章になる

あの日々は消えてもまだ夢は消えない

 今日は無限におしっこを出し続ける夢を見ていましたが、あれはトイレに行けというメッセージだったんでしょうか。起きた後三分ほど排尿してもまだ出続けるおしっこを眺めながらそう思いました。

 日記です。書くべきことはないですが、睡眠薬が切れてしまったために七時にねて15時に起きる最悪のリズムになりました。睡眠薬がないと何も出来ない人間です。僕は。

 その後タバコを一服吸い精神科へ。先週は混雑していましたが今週はかなり空いていたためすぐ診察。ラッキー。

「何か変わりありませんか」

「いえ、特にないです。良いこともなければ悪いこともないです。それが悪いことといえるのかもしれませんけど」

 タバコ吸いたいなあ。この無意味なやり取りなんか意味あんのかなあ(重複表現)。死にたいなあ。工事してる音がうるさいなあ。

 精神科医がジャージ姿でマスクをしており、鼻をすすっているので風邪かと思ってビビりましたが、ビビる理由どこにもなかった。俺、受験終わったんだ(人生も終わっています)。

「そういえば受験はどうだったんですか?」

 そういえばて、そういえばてお前。

「落ちましたよ」

「ああそうですか……来年どうするんですか?」

 それは俺が聞きたいよ。

「いや、まだ何も」

「予備校とか行かないんですか?」

「行けたらいけますが、授業料が高いのでどうしようもないです」

「ふ~ん」

 気まずい沈黙。あれ、そういえばそんな曲あったよな? さらさらさら、精神科医がカルテにボールペンで字を書くのを眺め続けています。ここで、一大決心をして俺はあるお願いをします。

コンサータ出す資格って、先生にないんでしたっけ」

「え、そうですけど やっぱりコンサータ欲しいの?」

「はい」

「う~ん なんで?」

「いや、このまま何も変わらないなら新しい薬を飲んでみたいな、と思って……」

「あまり賛成はしませんけどね~ どうしても欲しいなら他の病院に行きますか? 紹介状なら書きますよ」

 軽いな。

「来週までに考えておきます」

「まあでも、君の場合はコンサータとかじゃなくて生活の枠組みを変えることが必要だから、予備校通ってリズムを整えた方が良いですよ。あんまり、私はどうかと思うけどね。生活リズム整えて、軽く運動して、予備校行って、それでいいんじゃない?」

 それが出来ねえからここに来てんだろうがと言いかけましたが、僕は大人なのでグッと堪えます。掻い摘むとこのような会話をして診察は終了。先週と全く同じ内容の薬を出してもらって、待合室で呆けていると見慣れないナースが話しかけてきました。

「公的さん、来週どうしましょう? 先生は午前中に来てほしいんですけども、水曜日はかなり混んでいるんですよね」

 なんだこの可愛いナースは……やけに馴れ馴れしいしネイルもキラキラしている……と思いながら受け答えます。大人ですから。

「じゃあ来週の火曜日の……10時で」

「ふふ 10時ですね わかりました」

 なんで笑ったんだ……ひょっとして俺のこと好きなのかこの人……と思っていますがそんなことはおくびにも出しません。なぜなら大人ですから。

 その可愛いナースとおとなしめで堀北真希に少し似ている(雰囲気も)ナースが会話しており、お互いの髪を撫でている光景を目撃した僕はたまらず勃起。チンポも大人ですから当然勃起の一つや二つはします。

 勃起を押さえながら会計を済まして薬局へ。先週と全く同じ薬を貰って帰宅しました。

 それからのことは覚えていませんが、無限にゲームをしていたような気がします。ダメ人間です僕は。死にたくなりました。一体何をしているんでしょうか。こんなことしている場合じゃないのに……。

 明日こそ真人間になるぞと誓って日記を終えます。