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戦う君の歌を、戦わない奴らが笑うだろう。

 今年度末に自殺をすると宣言した友人がいる。

 いきなり重くてすみません、公的抑圧のブログのあの軽いノリかと思って開いたらいきなりこの一文で引いた読者もいるのでは。出来る限り軽いノリで書きます。

 ただ、身近な人の死、それも友人となると、そう軽いノリばかりでいられないというのもありまして、そこのバランスのとり方が難しいんです。

 見ての通り(読んでの通り?)俺は軽薄極まりない人間なので(体重は重い)、真剣に人の死に向き合うことが出来るだろうかと悩んでいます。一体、友人が死んだら俺はどうすればいいんでしょうか。

 いや、その前に自殺を止めろよ、と。これ、仰る通りなんですが、反論させてほしい。一体、誰に人の自殺を止める権利があるんだろう?

 自殺を一度でも真剣に考えたことある人間が、今自殺をしようとしている人間に対して止める言葉を持つでしょうか。何か訴求力のある言葉をかけてあげられるんだろうか。いや、俺がその言葉を持たないだけで、他の人ならいくらでも言えるとか、そういう可能性もありますけども。

 自殺しようとしている人に対して「これからもっと良いことがあるよ」と言って引き止めるのは間違いなく欺瞞でしょう。「これからもっと良いことがある」、その未来に希望がないから死ぬわけであって、それを聞いて「ああそうか、もっと良いことがあるんだな」と考え直す人はいないわけです。

 もっと具体的に言うとどうなのか。例えば、「年度を越したら君の好きなアイドルのコンサートがあるよ」とか。ただ、それは単なる引き伸ばしに過ぎないでしょう。そのコンサートが終わったらまた生きる希望をわざわざ探すのでしょうか。それよりももっと遥かに多くの絶望がのしかかるだろうし、多分自殺を試みる人間が希望を探すのはとてもつらいことだと思う。

 具体的な目標や希望の間隔を伸ばして行くとどうなのか。「就職したらいい出会いがあるよ」とか。でもこれも抽象的ですよね。間隔が遠い希望のことを言っても、それは抽象的なことを言っているのと違いはありません。

 袋小路に陥ってしまいました。

 逆に、自殺を試みる人間の精神状態はどうなっているのでしょう。未来への希望がないから自殺する、ということは、未来への希望までの道筋が見えないということです。これは、今ここで生きている現実そのものが絶望に満ちている、とそういうふうに捉えることが出来ると思います。

 今ここで生きている現実そのもが絶望に満ちている、とはどういうことでしょうか。そもそも、絶望とはどういうふうな回路を経て生まれる感情なんですかね。

 雑な考察で申し訳ないですけど、人間は自分にとって不都合な状況が眼前に現れたら、それを取り除こうとすると思います。それが巨大なものであって、かんたんに片付きそうになければ、複数の要素に分解(分析)して、一つずつ取り除いていく、そういう「努力」のプロセスをするでしょう。

 眼前に不都合な状況が現れた時、最初は諦めかけますが、それらが分解可能で、一つずつ取り除いて行くことが出来るのであれば、「絶望」までは感じないと思います。

 絶望とは、その不都合な状況があまりにも巨大であって、それらを分解しても取り除けないとか、そもそも初期条件(生まれ・親・環境、いろいろあるでしょう)が悪すぎて不都合な因子を除去する努力すら出来ない、そういう状況に置かれたときに発生する感情なのでは。(繰り返しますけど、雑な考察で申し訳ない。素人の妄言だと思って聞き流してください)

 で、あるならば、一緒にその不都合な状況をとりのぞいてやる、とかそういう方向で解決することも出来るかもしれません。

 でも、その手段をあまり取りたくはないです。他人の精神、それも死しか手段がないような精神状況に、俺がずかずかと乗り込んでいっていい訳がないからです。そういうのはちゃんとした免許を持った人間がやる仕事です。

 じゃあどうすればいいんでしょう。かける言葉が見つからず、一緒に現状を打破することも出来ない。

 じゃあ、僕は彼の生を肯定することにします。

 十九年間戦い抜いて来た彼の生を、精神の高潔さを肯定することにします。

 大体、自殺を考える人間の方が、自殺を考えたこともない人間の精神よりも高潔で、力強いのは自明なことなのです。辛い状況にあって、自殺を、自分の生の終焉を選択出来る人間が強くなければ一体誰が強いのですか。弱い人間というのは、俺みたいなことを指す。

 だから俺は君の生を肯定します。戦いを応援します。孤独な精神に連帯したいと思います。

「死ぬな」なんて言えないかもしれないけど、それでも俺と君との友情が強固なもので結ばれた今、そして、俺だからこそ、君の生を肯定して連帯(傲岸不遜なのは承知しています)出来るとおもいます。

 最後にこの曲を送ります。

 いつの日か、君に「ファイト!」と言えることを信じています。

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